夜。少し遠くの某都内まで、業務としてカウントされるタイプの強制飲み会があり出向く。
うちの部署は本当に飲み会は滅多になくあっても行かないし行かなくても白い目で見られることもない(と思っている)のだけど、今回ばかりは業務なので仕方なく。部署よりも大きい本部単位の飲み会でたくさん人間が集まるんだろうなあしんどいなあみたいなやつ。
狭い空間、席の周りには目上の人が集まってしまい、とにかくうるさく、下ネタを勝手に話してる分には勝手にしろで済むのだが振ってこられたりするのを、怒りを持って対応出来るほどの勇気もエネルギーを持ち合わせてもなく適当に返答する。
耐えかねて途中で店を出て路上にしゃがみ込む。汚ったねえ地面と対峙していると、かつて若い頃の様々な失敗や傷つきなどが蘇ってくる。東京は無駄に人が集まってて無駄だなあキモいなあ人類皆滅びてしまえよな、と脳を殺菌したのち、メシだけ食って帰ろうと心を決め席に戻る。
私の両脇が盛り上がっているところ、一人で黙々とメシを食い意味ありげに立ち上がりそろそろ帰りますと伝えて帰る。隣の同僚に大丈夫?と声をかけられ、通路で煙草を吸ってた上司とすれ違った数十分後、今日は来てくれてありがと気を付けて帰ってーとLINEがある。何がありがとなんだよ業務なので来ただけでなぜ感謝するんだよ普段の仕事に対して逐一ありがとって言えやと思ったところで、この感覚は10代の頃すべての物事に対して死ねと思っていたあのときに似ているなと感じる。DIR EN GREYを聴きながら人類皆死ねの気持ちを高めていく。
最寄り駅の隣の駅で降りて、さすがに人類皆死ねの気持ちを家に持込みたくはなく、数十分歩きながら帰路につく。コンビニでケーキとアメリカンドッグを買う頃には、セクハラ野郎は社会的に死ねくらいの小さな範囲の怨念に変わっていった。
家につき手を入念に洗い濃いめのうがい薬でうがいをし、部屋を暗くしてアメリカンドッグとケーキを食いながら金ローのハリー・ポッターを観る。ところどころのセリフを覚えているのに結末は覚えてないな、明日アマプラでちゃんと観るかあと思ったところで布団に潜り込み気絶するように眠る。